建設業の人材確保を政府が強化|人手不足時代に地域の建設会社が今考えること

建設業の人手不足について、国があらためて人材確保・育成への取組を強化する方針を示しました。

厚生労働省と国土交通省は2026年9月、令和9年度予算概算要求における建設業の人材確保・育成に向けた取組を公表しました。

今回示された柱は、「人材確保」「人材育成」「魅力ある職場づくり」の3つです。

建設業界の人手不足は、曽於市、都城市、霧島市、鹿屋市などの地域の建設会社にとっても、決して遠い話ではありません。

この記事では、今回の政府の取組を確認するとともに、地域の建設会社がこれからどのような準備を進めていけばよいのかを考えます。

今回のポイント
国が人材確保への支援を強化する背景には、建設業の高齢化と若手不足があります。 求人を出すだけでなく、「入りたい会社」「長く働きたい会社」をつくることが、これまで以上に重要になっています。

建設業では60歳以上が約4分の1

厚生労働省・国土交通省の公表によると、建設業の技能者のうち、60歳以上が約4分の1を占める一方、29歳以下は全体の約12%となっています。

つまり、現在のベテラン技能者が今後引退していく一方で、若い世代の入職が十分に増えなければ、担い手不足はさらに深刻になる可能性があります。

建設業は住宅や店舗を建てるだけではありません。

道路、河川、災害復旧、地域インフラの維持など、地域社会を支える重要な役割を担っています。

国も建設業を「地域の守り手」と位置付けており、人材確保を急務としています。

政府が掲げた3つの重点事項

1.人材確保

まず挙げられているのが、建設業への入職や定着を促すための「人材確保」です。

令和9年度予算概算要求では、建設事業主などに対する助成金による支援として73億円が盛り込まれています。

また、建設業そのものの魅力を発信し、若者や女性などの入職を促進する取組も進める方針です。

今後は単純に求人票を出すだけではなく、 「どんな会社なのか」「どんな仕事ができるのか」を外部へ伝える力も重要になっていくでしょう。

2.人材育成

人材を採用するだけでなく、その後の育成も大きなテーマです。

若年技能者などを育成するための環境整備や、中小建設事業主への支援なども予算概算要求に盛り込まれています。

建設業は、経験を積みながら技能を身につけ、資格を取得していくことで仕事の幅が広がる業界です。

そのため、会社側も、

  • 資格取得を支援する
  • 先輩社員が技術を教える仕組みをつくる
  • 将来どのような仕事を任せてもらえるのかを示す
  • 長期的なキャリアを見せる

といった取組が重要になります。

3.魅力ある職場づくり

3つ目が「魅力ある職場づくり」です。

技能者の処遇改善や働き方改革、生産性向上などを進め、安心して働くことのできる環境を整備することが掲げられています。

建設会社の採用競争は、建設会社同士だけではありません。

若い人材から見れば、製造業、物流業、サービス業、IT企業なども就職先の候補になります。

その中で選んでもらうためには、

  • 給与
  • 休日
  • 勤務時間
  • 安全対策
  • 資格取得支援
  • 将来のキャリア
  • 会社の雰囲気

などを分かりやすく伝えることも必要になってきます。

地域の建設会社も「採用される会社づくり」が必要

曽於市、都城市、霧島市、鹿屋市などの地方では、「そもそも若い人が少ない」という問題もあります。

そのため、求人を出せば応募が来るという状況ではなくなってきています。

地域の建設会社が今後人材を確保するためには、採用活動そのものに加えて、 求職者から見て魅力が伝わる会社づくりも必要です。

例えば、

  • どんな工事をしている会社なのか
  • どんな人が働いているのか
  • 未経験でも働けるのか
  • 資格取得を支援してもらえるのか
  • 休みはどのくらいあるのか
  • 将来どのくらい稼げるのか

といったことを分かりやすく見せるだけでも、求職者が受ける印象は大きく変わります。

ホームページも採用活動の一部になる

地域の建設会社では、紹介や昔からの取引先を中心に仕事をしており、ホームページを持っていない会社もあります。

仕事を取ることだけを考えれば、それでも問題がないケースもあるでしょう。

しかし、採用という視点では少し事情が変わります。

求人を見た人が会社名をGoogleなどで検索することは珍しくありません。

そのときに会社の情報がほとんど出てこなければ、

  • 本当に営業している会社なのか
  • どのような仕事をしているのか
  • 会社の雰囲気が分からない
  • 応募して大丈夫なのか

と不安を感じる可能性があります。

ホームページは営業だけではなく、求職者に会社を知ってもらうための会社案内としても活用できます。

外国人材も人材確保の選択肢になる

建設業では、すでに外国人材が重要な担い手になっています。

今後、国内の若年人口が減少していく中では、外国人材の採用を検討する建設会社もさらに増えていくと考えられます。

ただし、外国人を採用する場合は、日本人を採用する場合とは異なり、在留資格や就労できる仕事内容などについて確認が必要です。

「人手が足りないから、とりあえず外国人を雇う」という考え方ではなく、制度を確認しながら計画的に進める必要があります。

黒木行政書士事務所でも、今後、建設会社の外国人雇用に関する在留資格などのご相談に対応できる体制を整えていきます。

人材確保と建設業許可は別の話ではありません

会社が人を増やして受注できる工事を増やしていけば、会社の事業規模も大きくなっていきます。

その中で、

  • 建設業許可を新たに取得したい
  • 受注する工事に合わせて業種を追加したい
  • 営業所を増やしたい
  • 許可更新や変更届をきちんと管理したい

といった手続が必要になる場合があります。

特にこれから会社を成長させていきたい建設会社にとっては、人材確保だけでなく、許認可や社内体制も一緒に整えていくことが重要です。

黒木行政書士事務所では、鹿児島県・宮崎県を中心に、建設業許可の取得や更新などのサポートを行っています。

まとめ|人手不足を前提に今から準備を

今回、厚生労働省と国土交通省が令和9年度予算概算要求で建設業の人材確保・育成を重点的に取り上げたことからも、建設業の人手不足が国全体の重要な課題になっていることが分かります。

これからの建設会社には、

  • 人材を採用する
  • 若手を育成する
  • 働きやすい職場をつくる
  • 会社の魅力を外部へ発信する
  • 外国人材の活用を検討する
  • 事業拡大に合わせて許認可を整える

といった取組を組み合わせて考えることが求められていきます。

すべてを一度に始める必要はありません。

まずは、「自分の会社は、求職者からどう見えているだろうか」と考えてみることが第一歩です。

そして、会社の成長に伴って建設業許可の取得や業種追加などが必要になった場合には、早めに準備しておくことをおすすめします。

※本記事は2026年9月時点の厚生労働省・国土交通省の公表資料をもとに作成しています。令和9年度予算については現時点では概算要求段階であり、今後の予算編成により内容が変更される可能性があります。


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